マイクロソフトの最新の技術について、以下のようなオンラインイベントで情報が提供されました。
これらのイベントで公開された/公開予定の技術についてご紹介いたします。

以前から発表されている通り、次の .NET では次のようになります。
"One .NET" ということで、.NET が現在の .NET Core に統合され、.NET 5 となります。

※ .NET 5 に含まれないもの
ちなみに .NET Framework は 4.8 が最終バージョンです。今後は保守フェーズに入り、機能の新規追加はされなくなります。
.NET Framework のサポート自体は Windows 10 がサポートされている間は続くと思われます。
将来性から考えると、新規に .NET で開発する場合は、.NET Core を用いるべきだと考えられます。
○ .NET のロードマップ

上記のとおり、現在ある .NET Framework、.NET Core、Xamarin は一つの .NET に統合されます。
但し、2020 年 11 月の .NET 5 リリース時点では Xamarin の統合はプレビュー扱いです。
.NET 6 で完全に統合される見込みです。
.NET 6 は LTS (Long term support: 長期サポート) 版となる予定なので、新規開発に利用するのは、.NET 6 からが無難かも知れません。
Microsoft は既に Windows への囲い込みを行っていませんので、新たな開発方法としては Windows 以外の OS もサポートするマルチ プラットフォームなものを提供していくことになります。
注目すべきは、以下の二つです。
- MAUI (Multi-platform App UI)
- Blazor
将来的にはどちらもネイティブアプリケーションも開発できるものですが、MAUI は従来の Windows アプリケーション開発技術の延長にある技術、Blazor は Web アプリケーション開発技術の延長にあり、とりあえずは Web 開発用です。
ひとつずつ説明します。
○ MAUI (Multi-platform App UI)
MAUI というアプリケーション開発技術が発表されました。
MAUI の特徴は次の通りです :
XAML (Extensible Application Markup Language):
- WPF や UWP、Xamarin Forms の UI 記述用言語
- 今までは、XAML は WPF や UWP、Xamarin Forms で統一されていなかった
○ Blazor
現在すでに Blazor Server という、C# だけで Web アプリケーションが開発できるサーバーサイド技術が .NET で使用できますが、この技術が拡張され、Web アプリケーションだけでなくネイティブアプリケーションも作成できるようになることが予定されています。
Blazor の特徴は次のとおりです:
今回新たにリリースされたのは、Blazor WebAssembly 3.2.0 (GA) です。
近い将来この Blazor が拡張され、ネイティブ アプリケーション (Web アプリケーションでない Windows アプリケーション/Mac アプリ /iOS アプリ/Android アプリ) も作れるようになります。
- Blazor Server (既存)
- サーバーサイドを C# で記述。 ASP.NET WebForms に置き換わるものとされる。
- クライアントサイドとは、SignalR で通信し、リアルタイムに同期をとる。
- Blazor WebAssembly (今回リリース)
- Blazor Server と違い、クライアントサイドで C# が動作する Web アプリケーションを作成できる
- クライアント サイドのプログラムを JavaScript ではなく、C# で記述。
- クライアント サイド (Web ブラウザー) 上で、WebAssembly の .NET が動作する
- Blazor PWA (Progressive Web Application) (将来)
- Web アプリケーションが単独のアプリケーションとして動作する
- Blazor Hybrid (将来)
- Electron や WebView を用いてデスクトップアプリケーションを開発
○ 参考
- One .NET
- MAUI
- Blazor
- .NET
● 新たな Windows アプリケーション開発方法
新たな Windows アプリケーション ライブラリーとして WinUI 3 が発表になりました。
■ 開発ツール関連
○ GitHub Codespaces/Visual Studio Codespaces
以下が発表されました:
- GitHub Codespaces
- Visual Studio Codespaces
Web 版 (クラウド版) の Visual Studio Code/Visual Studio です。
Visual Studio Codespaces は、以前 Visual Studio Online と呼ばれていたものです。
ネイティブアプリケーションだった Office が Web 版になり、Microsoft 365 になったように、様々なツールがクラウド版になっていきます。
○ 参考
○ C# 9.0
C# 9.0 が発表されました。
○ 参考
■ Azure 関連
○ Azure
Serverless や AI/Data などを中心にアップデートされています。
○ Data 関連
Free Tier
AutoScale
Azure Synapse Link: データベース分析サービス
○ ML 関連
- Cognitive Services
- Personalizer
- Speech Voice
- Azure Machine Learning
- AutoML 周り
- Responsible ML
- AI スーパー コンピューターの発表
○ 参考
■ Power Platform/Microsoft 365
○ Power Platform
Power Apps や Power Automate、Power BI、Dynamics 365、Microsoft 365 の新たな統合機能の発表
○ Microsoft 365 (旧名 : Office 365)
Microsoft Teams の多数のアップデートの予定が発表
○ Terminal
・ Windows Terminal 1.0
次のような機能があります。
Microsoft Store からインストールできます。
タブごとに Windows Subsystem for Linux、コマンドプロンプトや PowerShell など
タブの内部をペインに分割する機能
○ WSL2
WSL は、Windows に組み込まれた virtual な Linux 環境です。
Microsoft Store からインストールできます。
WSL2 で新たに GPU がサポートされます。 CUDA 利用できたり、GPU 版 Tensorfow が動作できたりします。
○ パッケージ マネージャー
winget という Windows Package Manager (Preview 版) がリリースされました。
Linux のようにコマンド ラインから簡単にアプリケーションなどがインストールできます。
参考:Windows Package Manager Preview | Windows Command Line
Project Reunion というプロジェクトが発表されました。
Windows の API は現在次のように 2 つ ありますが、これを統合しようというプロジェクトです。
■ 関連サイト